ヒトが持つ身体のサイズ、形態、プロポーションの計測を指し、体重のほか身長をはじめとする高径、皮下脂肪厚、周径、長径や幅径が含まれます。英語の「Anthropometry」の和訳として用いています。「Anthropometry」は「ヒトの計測」を意味しており、国内の文献では「身体計測」のほか「人体計測」、「形態計測」や「生体計測」などとも訳されていますが、形態計測や生体計測は「Morphometry」や「Biometry」の和訳にも用いられています。ここでは、人体の特に体幹部と四肢のサイズや形態、プロポーションの計測を行うことを「身体計測」と定義します。
「Anthropometry」という用語が初めて使用されたのは、1654年にAnthropometriaを出版したJohann Sigismund Elsholtz と言われています。Elsholtzによってヒトを対象にした身体計測の重要性と有用性が指摘されてから、身体計測は人類学や美術など幅広い領域で用いられてきました。その後、人類学者の間で計測手法の標準化に向けた取り組みが行われてきましたが、人類学以外の学術領域ではいまだ異なる計測基準や手技が存在しています。
Anthropometryは,身体計測と訳され,ヒトが持つ身体のサイズ、形態、プロポーションの計測を示します。Kinanthoropometryは,kin(近い関係,親族),anhoropo(人,人類,人類学),metry(測定法)の3つの語が一緒になった単語です。Kinanthoropometryはヒトの計測から得られるサイズ、形態、プロポーション、体組成や総合的な機能情報を発育、運動、パフォーマンスや栄養状態の把握など様々な分野に活かそうとする科学的アプローチと定義されます。