日本キンアンソロポメトリー研究会(Japanese Working Group for Kinanthropometry: JWGK)は、日本国内における国際基準に基づいた身体計測の手技と活用の普及および身体計測を活用した研究を推進することを目的として設立された組織です。JWGKはThe International Society for the Advancement of Kinanthropometry(ISAK:国際キンアンソロポメトリー推進学会)からレベル3の認定を受けた日本人身体計測技師を世話人として平成28(2016)年7月に発足しました。
JWGKは、(1)正確な身体計測法の普及に係る事業、(2)身体計測法の適切な活用方法の普及に係る事業、(3)ISAKなど海外の組織との連携による国際的に共通した活用できる身体計測データの構築に係る事業などを行っています。
健康・スポーツ医科学領域で、身体計測の手技の統一に向けた動きは1973年から始まりました。モントリオールオリンピックに出場したアスリートを対象にした研究プロジェクトであるThe Montreal Olympic Games Anthropological Project (MOGAP)に参加した研究者が、研究プロジェクトで用いる計測項目や手技を決めるためにThe Leon and Thea Koerner Foundation Study Groupを発足させ、議論を行いました。グループのメンバーはプロジェクトが終了してからもスポーツ医科学領域で活用できる身体計測項目について検討を行っていましたが、国際連合教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization: UNESCO)や国際オリンピック委員会(International Olympic Committee: IOC)、世界保健機関(World Health Organization: WHO)とパートナーシップを結んでいる国際スポーツ科学・体育協議会(The International Council of Sports Science and Physical Education: ICSSPE)も、当時、ヒトの計測から得られるサイズ、形態、プロポーション、体組成や総合的な機能情報を発育、運動、パフォーマンスや栄養状態の把握など様々な分野に活かそうとする科学的アプローチ(キンアンソロポメトリー)の必要性を認識していました。そこで、ICSSPEはグループをICSSPEの作業部会とし、キンアンソロポメトリーの発展を委託することを1978年9月11日にブラジル・ブラジリアで開催されたICSSPEの第8回年次総会で決定し、グループの名称もThe International Working Group in Kinanthropometry (IWGK:キンアンソロポメトリーの国際的ワーキンググループ)と改称されました。
IWGKはその後、キンアンソロポメトリーの発展に向けてカナダ・ケベック州やベルギー・ルーヴェンでキンアンソロポメトリーに特化した学会を開催するなどの活動を行いました。その結果キンアンソロポメトリーに対する関心が高まったことを受け、1986年7月にスコットランド・グラスゴーで開催された第3回キンアンソロポメトリー学会において、ICSSPEの一作業部会に過ぎなかったIWGKから、The International Society for the Advancement of Kinanthropometry(ISAK)という一学術団体に独立しました。ISAKは日本語で「国際キンアンソロポメトリー推進学会」と訳されています。
ISAKはキンアンソロポメトリーの促進と、地理的・政治的環境や専門の学術領域の違いに関わらず身体計測を行っている研究者による国際的なネットワークの構築を推進することを目的としています。キンアンソロポメトリーを発展させるため、ISAKのメンバーは身体計測を適切に行うための基準の策定と国際的な標準化、人材の育成とキンアンソロポメトリーに関する研究の実施や、世界中で報告されている研究成果に対する客観的な評価などを行っています。